2026/09/30 09:00

 先週の土曜日、私は豊橋商工会議所で心理カウンセラー養成講座【初級】を受講してきました。


 8月5日のブログ「心理カウンセラー養成講座」でお話しした講座です。

 講師は60代のベテラン心理カウンセラーの 亀井 博之 先生でした。


 ホワイトボード1枚。

 登壇する講師の話だけで2時間。

 でも、全く飽きさせない素晴らしい講義でした。



 この講座で、亀井先生は、人の心にある3つの構造、心の三層構造を中心に話しました。

 心の三層構造とは以下のようなものです。


 エス・・・持って生まれた気質

 エゴ・・・意識している私

 スーパーエゴ・・・合わせなければならない周りの規範


 人は生まれた時はエス(気質)だけです。

 子供に「私」はありません。

 ただ、関心の赴くまま、刹那的に行動します。

 子供は、小学校3年ぐらいになるとエゴ(私)が出てきます。

 そうすると、少し先を考えて行動するようになります。

 子供は、高校生ぐらいになると、スーパーエゴが出てきます。

 そうすると、他人の前では建前を言うようになります。

 人は、エスをエゴで抑え、エゴをスーパーエゴで抑えて生きています。


 大人になっても、人の行動の9割はエスです。

 人の行動で、その人が意識してやっている部分は驚くほど少ないです。



 嫌なことがあっても、怒鳴りつける人はあまりいません。

 でも、ほとんどの人は、嫌なことがあると嫌な顔をします。

 怒鳴りつけたいエスを抑えるのがエゴです。

 エゴはスーパーエゴに従って、感情の爆発を抑えます。


 一方、人は自分が嫌な顔をしているとは意識していません。

 自然にしてしまっています。



「なぜあの人は私のことを嫌っているのかしら?」

 それはあなたが意識せず嫌な顔をしているからです。

 でも、本人はそれが分からない。

 友人に聞くとこう答えます。

「あの人、全然、あなたのこと嫌っていないわよ。ただ、あの人、仕事で疲れているから、疲れた顔をしているだけじゃないの?」

 露骨に言えば、ウソです。

 一方、相手も相手で「なぜ◯◯さんに嫌な顔をされるのだろうか?」と考えています。

 友人は同じく言います。

「あの人、全然、あなたのこと嫌っていないわよ。ただ、あの人、仕事で疲れているから、疲れた顔をしているだけじゃないの?」

 お互い、意識している範囲では悩んでいますが、その実、行動の9割を占めるエスで相手を嫌っています。



 人は自分を自分でコントロールできると思うから思い悩みます。

 嫌いな人は嫌いと認識し、そういうものだと気にしないことが大事です。


 やさしい人は、違和感を違和感のまま放置せず、相手に歩み寄ろうとします。

 そうすると、相手はあなたの意識していないあなたの行動を言います。

「◯◯は私を見ると嫌な顔をする。気に食わないことがあるなら、はっきり言いなさい」などと

 ギャンギャン言います。

 これ一番ダメなことです。

 心が壊れます。


 問題は解決しようとしてはダメです。」

 解決しないまま、違和感を覚えたままでいるのが、最もよい解決法です。



 心理カウンセラーの仕事を簡単に言ってしまえば、こうなります。

 心理カウンセラーの仕事とは、エスでしてしまっている行動を本人に教え、それにより、その人にその人の本心(エゴ)を認識させ、スーパーエゴを外したエゴの気持ちを本人から聞き出すことです。

 先ほどの例で言えば、2人が「嫌われているのではないか」と悩むのは、「他人を嫌ってはいけない」というスーパーエゴ(社会の規範)や「仲良くしなければならない」というスーパーエゴ(社会の規範)が自分を攻撃するからです。

 エゴを話させることで、本人が「本当は私があの人のことを嫌っていたんだ」と理解すれば、その人と距離をとったり、一緒にいることをやめるなど、対策が考えられます。

 それが悩みの解決につながるとのことでした。


 要点は次のような言葉に要約できます。


 人は持って生まれた好き嫌いを変えることはできない。

 その好き嫌いを自覚し、それに沿った人生を生きましょう。

 それを相談者に自覚させるのが、心理カウンセラーの仕事です。


 そして、心理カウンセラーが一番やってはいけないことは、自分の経験や知識から「こうすればよい」「ああすればよい」とアドバイスをしてしまうことです。


 その経験、その知識は、あなたのエスであり、あなたのエゴであり、あなたのスーパーエゴから成り立っていること。

 相手には成立しません。


 自分の経験を捨てろ。

 自分の知識を捨てろ。

 教えてやるという虚栄心を捨てろ。

 それが人の話を聞く第一歩。


 本当にそうだと感じました。



 すごく勉強になる講座でしたが、中級、上級へ進むためには、受講料がかかることと、仕事で直接使う技能ではないため、私にとっては初級で十分でした。

 帰りに初級講座受講の修了証明書をもらって帰ってきました。


 ちなみにエゴはギリシャ語です。ギリシャ語では私という意味であり、私たちが使うエゴ(わがまま)という意味はありません。