2025/11/05 09:00
自分の肌が酸性かアルカリ性かなどほとんど気にすることはないですが、でも、肌の健康には肌の pH バランスはとても大切です。pH とは水素イオン濃度指数で測られる酸性・アルカリ性度数のことです。0〜14の数字で表されます。ちょうど真ん中の pH 7.0 が中性、pHが小さくなるほど酸性が強くなり、pH が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。健康な肌は中性からわずかに酸性に寄った弱酸性をしています。幅はおおよそ pH 4.5 からpH 6.0 。脂質肌ほど酸性度が強く、乾燥肌ほど酸性度が弱いです。酸性には肌荒れを防ぐ働きがありますが、酸性が強くなりすぎると肌は脂っこくなります。肌が中性に近づくと肌荒れを起こしやすい肌となり、その結果、肌の水分が奪われ乾燥肌になります。
石鹸は弱アルカリ性です。そのため、肌を中性に近づける働きがあります。でも肌にはアルカリ中和能という働きがあり、石鹸をつけ体を洗った時、一時的に肌がアルカリ性に傾いたとしても、自然と弱酸性に戻ります。ただ、風呂上がりなどは、まだ肌が弱酸性に戻る前のため、風に当たると肌が痛みやすいです。また、洗浄力が強い石鹸はアルカリ性度数が強いため、肌をより強くアルカリ性へと傾け、肌の pH 値の回復を遅らせます。ゴシゴシ石鹸をすりこんで洗うと肌を痛めるのも、ただ肌を引っかいて痛めるだけではなく、弱酸性の肌に弱アルカリ性の石鹸を刷り込むことで、肌の pH 値をアルカリ性に傾けてしまうということもあります。
石鹸は基本的に弱アルカリ性、度数は pH 9.0 から pH 11.0の間です。石鹸は天然油脂をアルカリと反応させて作られるものなので、弱酸性の石鹸は存在しません。一般に弱酸性ソープと言われているものは石鹸ではありません。化学合成された合成界面活性剤であり、酸性だから肌にやさしいわけではありません。その原料や含まれる成分によっては、かえって肌を痛めてしまうこともあります。また、石鹸は弱アルカリ性のため肌の酸性と反応し中和されることで溶けてしまい肌を痛めませんが、弱酸性ソープは、肌の上では中和されないため、肌の上で洗浄力を失わず肌を痛める原因になります。そのため、弱酸性ソープはしっかり水で洗い流す必要があります。
肌荒れに悩む人は、天然素材から作られたアルカリ性度数の低い石鹸を使うことをお勧めします。オリーブオイル石鹸は作りたてはpH10.0ですが、熟成期間を経てpH8.0〜pH9.0に落ち着きます。そのため、一般的な石鹸のpH9.0〜pH11.0に比べアルカリ性度数が低いです。クノッソス石鹸も天然素材から作られたオリーブオイル石鹸。洗浄力はマイルドですが、その代わり肌を痛めません。肌荒れに悩んでいる方がいらしたら、お勧めしてみてはいかがでしょうか。
pH 3.0 未満・・・・・・・酸性
pH 3.0 以上 6.0 未満・・・弱酸性
pH 6.0 以上 8.0 未満・・・中性
pH 8.0 を超え 11.0 以下・ 弱アルカリ性
pH 11.0 を超えるもの・・ アルカリ性

