2025/08/25 09:00
日本で初めて石鹸が作られた場所は、江戸時代、唯一の貿易港・長崎でも、開港一番、洋風文化が花開いた横浜でもありません。現在の佐賀県・肥前の国を治めていた佐賀藩の研究所でした。江戸時代、佐賀藩は福岡藩と交代で長崎港の治安維持を担当しており、当時としては、最も親密に西洋の文化と接することができる藩でした。とりわけ、ナポレオン戦争が日本にも波及したフェートン号事件(西暦1808年)の際にしでかした失態により、佐賀藩では改革意識が高く、積極的に外国のよい製品を取り入れる気風がありました。結果、佐賀藩は、当時、最もハイテク化が進んだ藩となり、佐賀藩の科学技術により作られた大砲や鉄砲は明治政府の討幕の手助けとなりました。当時、佐賀藩で作られた石鹸について詳細は分かりません。でも、今でも旧佐賀藩領だった佐賀県には石鹸作りの気風があるらしく、少し珍しい石鹸に肥前石鹸という石鹸があります。この名前は正式名称ではありませんが、佐賀県みやき町を拠点とする株式会社ロイスが真空加圧製法という独自の製法で製造している石鹸とのこと。植物性の石鹸素地と海塩のみ使用した肌にやさしい石鹸です。私はまだ使ったことがないですが、機会があれば、一度、取り寄せて使ってみたいです。(画像は佐賀県にある吉野ヶ里遺跡の再現した建物のイラストです)
