2025/06/25 09:00
“石鹸は汚れを落とすもの” そうであれば、より強い洗浄力がある石鹸がより安価に売られていれば、それを買うのが最も賢い選択です。ボディーソープや格安石鹸は石油由来の合成洗剤で作られており、天然の油から作られる本物の石鹸とは異なります。これらの合成洗剤は原油をガソリンや灯油にする時に出てくる液体を元に作られているため、安価に製造でき、また、強い洗浄力のため、効率的に体の汚れを落とすことができます。それだけ見れば、素晴らしい製品です。私も石鹸について知るまでは、“石鹸はただ汚れを落とすもの” と考え、“安ければ安いほどよい” と、これらの合成洗剤を使っていました。しかし、合成洗剤を使い続けると、肌が乾燥し、冬場など、カサカサとなり、ひどい時はヒリヒリ痛みました。そこで調べてみたところ、合成洗剤は洗浄力が強いため効率的に汚れを落としますが、その副作用として、肌にうるおいを保つ皮脂を根こそぎ落としてしまい、肌を痛めるということでした。
“石鹸は汚れを落とすもの” これは正しいですが、一方、汚れ以外の皮脂まで落としすぎてしまうことは問題です。もし “石鹸は汚れを落とすもの” とだけ考えれば、肌の健康を失います。そこで “石鹸は皮脂を過剰に落とさないもの” という発想が必要となります。
“皮脂を過剰に落とさない” それを考えた時、安価な素材を使い汚れを効率よく落とすことを目的にした合成洗剤は、よい選択ではありません。“皮脂を過剰に落とさない” ということは、肌に自然になじむ素材であることが必要であり、また、強い洗浄力より皮脂に浮かんだ汚れを洗い流すようなマイルドな洗浄力が好ましいです。それらを考えると、化学合成された原料より自然の原料がよく、また、肌になじむ油となると、数多くある油の中でも、皮脂の40パーセントをしめるオレイン酸を主成分としたオリーブオイルが適しています。
私が、オリーブオイルから作られたオリーブ石鹸をまわりの人たちにも心からお勧めするのは、“石鹸はただ汚れを落とすものではなく、皮脂を落としすぎず、体を清潔に保つもの” と考えているからです。ただ、オリーブ石鹸は一般に市販されている石鹸よりいくらか値段が高いです。でも、肌を痛める代償に比べれば、それだけのお金を払う価値はあります。
乾燥肌など、すぐに気づく肌荒れは、分かりやすいですが、皺や皮膚たるみのように長年にわたり徐々に蓄積され現れる現象は分かりにくいです。皺や皮膚のたるみは年齢を重ねれば避けられないもの。“これも年齢のせい” と思ってしまいがちです。でも、皺や皮膚のたるみは個人差が大きく、肌を痛める製品を使っていれば、より短期間により多くの皺や皮膚のたるみが現れます。そして一度ついた皺や皮膚のたるみはなかなか解消しません。それをエステでなんとかしようと思えば、石鹸代どころではないお金がかかってしまいます。
ただ、結局は “その人が何をよいと考えるか” の選択であり、何よりも経済的な面を優先させるなら、安価で効率よく汚れが落とせる合成洗剤がよいです。実際、会社、工場、店舗、学校などでは、経済的な面と汚れを落とす効率性から合成洗剤を使っています。でも、自分が使うなら、自分でその選択ができます。どちらの選択をしても、それはその人の選択であり、他者が口出しできないものです。
また、本当のことを言えば、無料で肌を健康に保つ方法もあります。それは、石鹸など使わず水洗いですますことです。もしくは、汚れやすい脇の下などだけ石鹸で洗い、他は水で流すだけにとどめることで、石鹸代をうかせることができます。実際、昔の人たちは、石鹸などなく、水だけで洗い体を清潔に保ってきました。でも、それをすると、肌は油ぎり、髪はベタベタし、そして体臭も増えます。長期入院中はお風呂に入れませんから、布を水に浸して体を拭きます。あれと同じ状況です。昔の人はそれが普通だったのでしょうが、それでも気になる人は、香りの強い植物の油を塗ったりして体臭を抑えることに努めたようです。それならなおさら、清潔に慣れた私たちにとって、それはかなりつらいことではないでしょうか?実際、入院中、みんな、「早く髪を洗いたい。お風呂に入りたい」と言います。私も入院していた時、本当、お風呂に入りたくてたまりませんでした。
石鹸など使わず、皮脂に浮かんだ汚れを水で洗い流すだけなら、肌にもよいし、お金もかかりません。昔の人たちはそれで過ごしてきました。でも、清潔に慣れた今の人たちはそれに耐えられない。だから、石鹸が必要であり、石鹸を使うからには皮脂を落としすぎない肌にやさしい石鹸が必要となります。ただ、これは個人の選択の問題。昔ながらの水だけでもよい人、経済的な合成洗剤を使う人、肌の健康を考え天然素材の石鹸を使う人、十人十色の考え方があります。人それぞれ自分に合った選択をすればよいです。
クノッソス石鹸は1個770円と1個1,000円は下らないオリーブ石鹸の中では、やや低価格で提供しています。これも、卸業者を通さず、現地の工場から直接輸入しているため実現できていることです。また、オリーブ石鹸の多くは、石鹸の製造を容易にするため、また、より安い油ですませるため、オリーブオイル以外の油を混ぜて石鹸を作っています。クノッソス石鹸は、他の油を混ぜず、100パーセント、オリーブオイルだけを原料として作られた石鹸です。オリーブオイルに他のオイルを混ぜることで得られる効用もありますが、他の油を混ぜることでオリーブオイル本来の良さが失われてしまうことも否めません。クノッソス石鹸は、100パーセント、オリーブオイルを原料としているため、肌になじみやすく、皮脂を過剰に落とさず、皮脂に浮いた汚れだけをマイルドにぬぐい去ります。選択は個人の自由ですが、それでも、私は、この石鹸を皆さんに使っていただきたいと願っています。
