2025/04/15 09:00

 ギリシャは古代文明と美しい風景で有名な国ですが、実際に行ってみると、心地よい気候と健康的な食生活、広々とした間取りの部屋が快適で、長く滞在したくなる国でした。観光立国ということもあり、英語の通用度は高く、一般の人でもかなり高いレベルの英語を話します。物価は日本と同じぐらいの印象を受けました。そして気になる治安も、私が見た感じは、そこまで悪そうではなかったです。街中の落書きも、場所による感じです。危なそうな場所は確かにありますが、あえて近づく必要はありません。


 ギリシャの人たちは、健康やアンチエイジングなどに対する意識は高くありません。何事も自然な感じです。彼らは、アメリカ人のように、いつまでも若さを保つため、ジムに通ったり、アンチエイジングのサプリメントを飲んだりはしません。でも、年齢を重ねても若々しい人が多く、肥満体の人はほとんど見かけません。その点、日本人に近いです。

 ギリシャには、ファーストフード店やコンビニエンスストアがなく、安い値段で食べられる大衆食堂もないため、ギリシャ人の普段の食生活はとてもシンプルです。肉類は彼らの収入の割に高価なため、食事は野菜が中心となり、それにパンとオリーブオイルを加え、チーズなどで栄養補給をしている感じです。

 ギリシャは地中海沿岸なので、お酒はブドウ酒がメインなのかと思いきや、安いドイツ産のビールが広く出回っており、イメージが崩れます。

 味付けはシンプルで、オリーブオイルか塩、胡椒。胡椒は肉にしか使わないので、サラダにはオリーブオイルと塩、パンにはオリーブオイルをつけて食べます。オリーブの実は渋くて美味しくありませんが、梅干しみたいに漬けた実を食べます。健康には良いらしいです。

 “ギリシャ人は貧乏だからそういう質素な食事になってしまう”

 素の彼らに接した時、そう感じる人が多いと思います。でも、彼らはそれが普通なので、“自分たちは貧乏だから質素な生活をしている” とは感じてないようです。日本人に比べれば、ギリシャ人は収入が少なく、皆、貧乏であり、彼らはおしゃべりが好きで、あまりテレビも見ません。ですから、豊かな暮らしを身近に感じていないのかもしれません。

 でも、結果的に、それら質素な食生活と、おしゃべりなどで人とつながり、ストレス解消をすることが、ギリシャの人たちが健康的な体をしていることにつながっているように感じました。

 「アメリカに滞在すると太る」と言われますが、ギリシャに滞在すると痩せます。

 また、興味深いのは、ギリシャ人は健康やアンチエイジングに対する意識は低いのですが、彼らには昔からのものを大切にする文化があり、それが長年の経験で体に良いと分かった物が、今も廃れずに使われていることにつながっています。食事にしても石鹸にしても化粧品にしても、新しさを求めるのではなく、長年の経験から効果があったモノを使い続けます。それが彼らのアンチエイジングとなっているようで、そのため、彼らは目立って若々しくなることはありませんが、自然な感じで若々しい人が多かったです。

 ギリシャは遠い国ですが、欧米でありながら、どこか古き良きアジアのような感じのある魅力的な国です。もしヨーロッパに行かれる機会があれば、寄ってみてもよいと思います。イギリスやフランスとは違ったヨーロッパを見ることができます。