2024/11/10 09:00

 冬場に空気が乾燥すると、唇がひび割れ痛い思いをします。水気がたりないためと勘違いし、唇を舐めると、大変なことになってしまいます。こんなこと、誰もが、子供の頃、一度は経験したことがありませんか?それは、このひび割れの原因が水分の不足ではなく、皮脂の不足によって起こされているからです。唇を舐めることで、皮脂をさらに拭い去れば、さらに酷いことになってしまうのです。では、なぜ冬場は皮脂が不足するのでしょうか?それは、唇には皮脂を分泌する分泌腺がなく、頬(ほほ)など、唇の近くから広がってきた皮脂が唇を覆うことで、皮脂が補充されるからです。皮脂も油なので、気温が低いと広がりにくくなり、そのため、唇がひび割れてしまいます。


 唇のひび割れが皮脂の不足なら、なぜ水分をつけるとダメなのでしょうか?それは、水は蒸発する時に熱を奪う性質があります。そのため、水をつけると、唇がさらに冷え、皮脂が溶け広がらなくなってしまうからです。水を直接つけなくても、保湿クリームには大量の水分が含まれているため、湿り気を保とうと保湿クリームを塗ると逆効果です。市販のリップクリームも、水分を多く含んでいるため、よくありません。また、リップクリームは、塗りすぎると、クリームが唇を覆ってしまうため、唇の新陳代謝に悪い影響をもたらすようです。

 唯一、塗ってもよいものは、軟膏(なんこう)です。軟膏には水分がほとんど含まれていないため、唇を冷やし皮脂の広がりを防ぐことがありません。私は、唇の荒れが気になる時は、オロナインH軟膏を塗るようにしています。まだこのことを知らない頃は、リップクリームを塗っていましたが、その頃は、塗れば塗るほど、ひどいことになっていました。冬の風が強い日など、保護のためリップクリームを塗りたくなりますが、マスクやマフラー、スカーフなどで口を覆った方がよさそうです。

 洗顔で顔を洗う時も、唇には石鹸をつけない方がよさそうです。唇には拭い去る必要のある過剰な皮脂はなく、ただでさえ皮脂が少ない場所だけに、石鹸までつけ皮脂をとれば、後々、ひび割れに苦しむことになります。顔を洗う画像を見ても、頬やおでこなどに石鹸をつけ、洗っているのは、これらの場所は皮脂の分泌線が多い場所だからです。