2024/10/05 09:00

 リップクリームは唇を皮膜で包み保護してくれるイメージがあります。そこで私は、冬には一生懸命リップクリームを塗ったものです。でも、リップクリームを塗ると唇はぬるぬるしますが、なぜかひどいひび割れに苦しめられます。リップクリームを塗ったからこの程度ですんでいるのか?それともリップクリームのためにひどくなっているのか?当時は見当がつきませんでした。それでも "冬にはリップクリーム" とばかりに、リップクリームを塗りたくっていたものです。


 そのことについて、結論を言えば、なんと、“リップクリームを塗るから、ひび割れがひどくなっている” それが答えのようでした。なら、なぜリップクリームなどという製品があるのか謎ですが、おそらく、塗った時のぬるぬる感が、唇を保護してくれそうな感じがあり、安心できるため、この製品が生み出されたのでしょう。ただ、私もこのことを知ったのは、つい先月のことです。ヤエル・アドラーさんというドイツの女医さんが書かれた「皮膚の秘密」という本で知りました。

 “皮膚に保湿クリームを塗って、極寒の屋外に出ると、身体が急速に冷やされてしまいます。保湿クリームに含まれている大量の水分が熱の発散を促すからです。そうなると皮膚の組織が固くなり、痛みを伴う症状が現れます”(皮膚の秘密 3章 地下二階 真皮 冬の冷たい肌 より引用)

 まさか “水分が熱を発散させ皮脂の広がりを防ぎ、唇の乾燥を促進させてしまう” とは、驚きました。確かに、唇が乾燥したからと、唇を舐めると大変なことになってしまいます。肌の乾燥とは、水分が不足していることではなく、皮脂が取り去られていることなんですね。この本では、冬の乾燥には水分を含まない軟膏を塗ることを勧めています。

 当店で販売しているクノッソス石鹸は、皮脂の40パーセントをしめるオレイン酸を主成分とするオリーブオイルから作られた石鹸。オレイン酸は皮膚の乾燥を防ぎます。これからの寒くて乾燥する季節には、とりわけ重宝します。