2024/03/05 09:00
石鹸はオリーブオイル、パームオイル、ココナッツオイル、牛脂、ラードなどで作られることが多いですが、それだけではなく、いろいろな油が使われています。あまり見かけない油から作られた石鹸を8つご紹介します。
<ひまし油(キャスターオイル)>
ひまし油はトウゴマの種からとれる油です。ひまし油の名前ぐらいは知っている人も多いと思います。ヨーロッパやアメリカでは下剤としても使われてきた油です。この油は90パーセントがリシノール酸から成り、アルコールに溶けやすい性質を持ちます。保湿性に優れていることから、この油で石鹸を作ると、泡立ちがよく保湿力の高い、なめらかな石鹸になります。ただし、この油のみで石鹸を作ろうとすると、石鹸がやわらかくなりすぎるため、ベースのオイルに10パーセントほど加える形で石鹸に含めます。この油だけでは石鹸は作れないので、ひまし油の石鹸はありませんが、この油が含まれた石鹸はあるようです。
<ひまわり油(サンフラワーオイル)>
これは説明の必要はないと思います。ひまわりの種からとれる油です。酸化しにくい(いたみにくい)オイルであり、また強い抗酸化作用を持つビタミンEを豊富に含むため、石鹸にするとエイジングケアに最適な石鹸になります。
<シアバター>
ガーナやナイジェリアなどの西アフリカの国々に分布するシアーバターの木の種からとれる油です。保湿力や浸透力に優れ、この油を石鹸入れ石鹸を作ると硬くて溶け崩れしない皮膚の保護効果が大きな石鹸ができるようです。
<ニームオイル>
ニームは聞きなれない植物ですが、インド原産の常緑樹。その種と実を搾ることで得られるニームオイルは薬用効果が高い油としてインドの伝統的医学アーユルヴェーダに載っているようです。この油を配合して作られた石鹸は、手洗いや洗顔、身体とさまざまな部位に使用でき、乾燥肌やアトピー性皮膚炎、ニキビ、湿疹、水虫など肌のトラブル改善に効果的と言われています。
<ブラッククミンシードオイル>
聞きなれない名前の油ですが、この油は南ヨーロッパから地中海沿岸を原産とする一年生植物ブラッククミン(ニゲラサティヴァ)の種を搾ってとります。ブラッククミンシードオイルは“死以外のあらゆる病に効果的とされる万能オイル”と言われ、アラビアなどで重宝されてきたようです。この油をオリーブオイルやココナッツオイルに混ぜて石鹸を作ると、肌の保湿や引き締め効果の他、抗菌・抗炎症作用が期待できる石鹸になるようです。また、このオイルには皮膚の再生を促す作用があるため、すでにできてしまったニキビはもちろん、ニキビ跡の修復も期待できるようです。「ブラックシードソープ」の名前で販売されているようですが、ただ、この石鹸は溶けると洗面台が黒くなってしまうので注意が必要です。
<マンゴーバター>
トロピカルフルーツの代表格、マンゴーの種を低温圧搾法(昔ながらの石臼搾り)で搾ってとる油です。この油は保湿成分に優れているため、この油で石鹸を作ると、しっとりマイルドな洗い上がりになるようです。この油だけで石鹸を作るとやわらかくなりすぎてしまうので、ココナッツオイルやパームオイルに混ぜて作ります。ただ、残念ながら石鹸にするとマンゴーの甘い香りは消えてしまいます。
<ローズヒップオイル>
ローズヒップとはバラの花が咲いた後に実る果物の総称で、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどが豊富、レモンの10倍以上と言われるビタミンCを含みます。この油はこのローズヒップの中にある硬い殻に包まれた種からとります。この油で石鹸を作るとビタミンCが豊富な美肌石鹸ができます。
<ローレルオイル>
地中海沿岸を原産地とする月桂樹(ローレル)の黒い果実を搾って得られる油がローレルオイルです。スパイシーな芳香を持つ油でもあります。この油で石鹸を作ると、硬くて香り豊かな石鹸になります。髪を洗えば、かゆみやフケをおさえ、頭皮を健康的に保つ働きがあるようです。また強い芳香から、防虫、抗菌作用を期待し、クローゼットの中などに置くこともあるようです。この油はオリーブオイルに混ぜて石鹸にすることが多いようですが、この油の配合率が高いほどさっぱりした使用感になるようです。
調べてみると、本当、いろいろな油から作られた石鹸があるみたいです。ただ、手作り石鹸としては自由に作ることができますが、私はお店でこれらの石鹸を見かけたことがないです。