2024/02/25 09:00
オリーブの実を搾(シボ)るとオリーブオイルが出てきます。オリーブの実をしっかり搾り、もうオリーブオイルが出なくなるまで搾ると、後にはオリーブの実の搾りカスが残ります。このオリーブの実の搾りカスは、そのままではさらに搾っても油は出てきません。そこで特殊な溶剤を加えます。特殊な溶剤でオリーブの実を細かく分解することで、今度は先にしぼった油とは違う油を搾ることができるようになります。この特殊な溶液によりオリーブの実の搾りカスを分解してさらに搾った油がオリーブポマスオイルです。溶剤でオリーブの実を分解しているため、ただオリーブの実を搾ったオリーブオイルと違い、オリーブの実そのものが分解して含まれ、オリーブの実の葉緑素(クロロフィル)により緑色をしています。食用としてはあまり適さない油であり、食用として販売するにはオリーブオイルに混ぜ、やや安めのオリーブオイルとして販売しているようです。しかし、オリーブの実の成分が分解して含まれているため、肌につけるとオリーブの実の成分をそのまま味わうことができます。しかし、心配なのはオリーブの実を分解してしまうこの強烈な溶剤です。
この強烈な溶剤はオリーブ以外の搾油にも使われており、そのまま搾っても油がとれない種や実から油をとる時に使用されています。この溶剤の正体はヘキサンです。ヘキサンとは、有機溶媒の一種で、常温では無色透明、灯油のような臭いがする液体です。ガソリンに多く含まれ、ベンジンの主成分でもあります。ヘキサンは生体を破壊してしまう溶剤なので毒性があります。ただ、毒性があっても、食品を含む多くの加工処理に使われているのは、ヘキサンの沸点が摂氏69度前後と低いため、少し加熱すれば完全に除去できてしまうからです。国内で流通している醤油の8割はヘキサンを使用して油を搾った大豆の搾りカス(脱脂加工大豆)から作られますが、それらの醤油の成分表示にヘキサンの名前はありません。完全に除去できてしまうからです。もちろん石鹸も同じです。オリーブポマスオイル、“溶剤を使用” と聞くと身構えてしまいますが、石鹸に使用するポマスオイル内にヘキサンは残っていません。安心して使っていただけます。