2024/08/25 09:00

 物販とは、物によって人を幸せにする仕事です。そのため「我が社の商品を買えばもっと幸せになりますよ」と訴えることが行われています。私もその一人なので、あまりこのことは言いたくないのですが、確かにそれを買えばより心地よい気持ちになれることはわかります。でも、あえてそれを買う必要はあるのでしょうか?ほぼ “ない” と言っても差し支えないでしょう。


 私は“他人にはよい物を買ってもらい、少しでも幸福になっていただきたい”と思います。でも、私はあまり物を買いません。それで失っている幸福も多いと思います。ですが、それで少しも困ってはいないし、また不幸を感じることもありません。むしろ、人間の幸福に大きく関係するのは、心の面が大きいです。このことを話すと、まるで怪しげな宗教家のように見えてしまうかもしれませんが、これが事実です。

 私自身、日本では数少ないキリスト教徒であり、毎週日曜日には教会に通い、礼拝をしています。私の通う教会はお金がないので牧師はいません。若者の部類の私は、頼まれて礼拝の進行役をしたりもしています。説教台に登り、あれこれ司会進行をするのですが、毎週教会に通われる方の中には年配の方が多く、とても真摯に神様とのつながりを求めてられます。そういう姿を見ながら、いつも、“人の幸福は物ではなく心なんだ” と思います。

 私自身、“石鹸を売るより心の平安を与える方が大事だ” と感じています。日本人は物からの幸せばかりを求め、心の幸せをおろそかにしています。心の幸せを求めることを愚かとする唯物論的な思考が支配的です。また、そうでなくとも、心の幸福でさえ、音楽、酒、タバコ、パーティーなど、商品に走る傾向があります。衣食住がたりたら、次は心。それが、衣食住たりたら、次は商品。になっています。

 私は、他人の嗜好をとやかく言うつもりはありません。ただ、物販をやり、商品を販売する立場に立つと、“なるほど業者はこのようにして人々を商品に向かわせているんだな” と感じます。では、“この世には物がもたらす幸福しかない” としたところで、何が一番先に来るでしょうか?それはダントツで健康でしょう。

 石鹸は人々に幸福をもたらすものではありますが、その最も究極に近い健康に関係する物です。物にさほど興味がない私が石鹸にはこだわる理由もそこにあります。人それぞれ考え方があります。でも、楽しみよりまずは健康ではないでしょうか?“健康を維持する石鹸は、物によって得られる幸せの中では最高の物” 私はそう思います。