2024/06/05 09:00
私自身、天然のオリーブオイルから作られた自然派の石鹸を販売しているので、天然をおしたい気持ちがあります。しかし、天然が良く人工が悪いわけではありません。自然の植物や鉱物にももちろん毒が含まれるものがあり、また、天然の物はいろいろな成分から成り立っているため、毒となる成分を管理することが難しいです。天然の物から作られているからと言って、必ずしも安全とは限りません。扱いにくい天然の物を扱うためには、長年の経験から得られた知識が必要であり、そのおかげで体に与える害を最小限にした製品を作ることができます。ただ、それでも、天然の物は成分をきっちり管理できないので、人体に害をおよぼすことがあります。
一方、人工の物は、確実な成分配合、鉱物資源からの大量生産ができ、また、1つ1つの製品に違いがありません。ただ、人工の物はもともと自然界には存在しない物なので、それを分解する微生物が少なく、生物がそれを食することで生態系に害をもたらします。また、自然界に存在しなかったことは、人体にもなじまない物質であり、理論上はだいじょうぶな量であっても、人体がどんな拒絶反応を起こすのか分からないです。さらに、人工の物は安価に製造するため、廃油などから精製されるので、厳しい基準を適用しているとは思えません。有害な成分を0.1パーセントまで除くのは簡単だが、0.01パーセントまで除くには、その100倍の労力がかかります。“それを長期に渡り使用した場合、人体に悪影響を与えるかどうか” より、経済的な面から “有害な成分が0.1パーセント以下ならだいじょうぶ” としていると思われます。実際、人工の物の問題点はここにあります。
天然と人工、どちらが体によいか、単純には決められません。天然と言っても、どんな物をどのように加工して作ったのかによって大きく異なります。また、人工であっても、精製過程はそれぞれ。不純物の許容量も違います。天然の原料から作られた製品を使う時は、その製品がどこでどのような方法で作られたのかが重要です。そんな中、“伝統がある” ということは、長年、その製法で問題がなく、そのため人々から支持されてきたことを意味します。
人間の体は自然のものなので、コンクリートより木材に温かみを感じるように、人工の物より天然の物から作った製品に心地よさを感じます。しかし、自然の物は、そのままでは害もあります。長年、培った技術により、その害を除き、使えるものとしたのが、天然の物から作られた製品です。天然の物から作られた製品をただ天然だから良いと言うのではなく、なぜそれが良いのか考えて使いたいものです。
人工の物から作られた製品は、品質管理がしやすく、また安価です。レシピにより、どこでも誰でも同じものが製造できます。
確かに環境には悪いし、人体にもなじまないです。また、人体とは異質のもののため、温かみを感じないです。それでも、安価に効用を満たすことができ、天然の物から作られた製品のように悪い成分が混じっていることもないです。
天然の物から作られた製品は、製造者により安全性が大きく異なります。そのため、何も考えず買うなら、天然の物から作られた製品より、どこで誰が作っても同じ、安全性も数値で一元管理できる、そんな人工の物から作られた製品の方が安全とも考えられます。
クノッソス石鹸を製造するブロコス・ブロス・クノッソス社は、1911年にギリシャ共和国のクレタ島で創業し、100年以上、石鹸を作り続けてきた会社です。長い年月に渡り、ギリシャの人々に支持されてきたことが、その品質を保証しています。