2024/05/05 09:00
スーパーなどで手頃に買える石鹸の成分表を見ると、原料の油の名前がなく、石けん素地とか界面活性剤とか書いてあります。便宜上、石鹸としますが、これは石鹸ではなく合成洗剤を固めて作った洗浄剤です。石けん素地や界面活性剤と書いてあれば、まだ分かりやすいですが、中にはその◯◯酸ナトリウムみたいな、界面活性剤を形成する脂肪酸ナトリウムの名前で書かれている場合もあります。脂肪酸ナトリウムなど物質名で書かれていると、その特徴を考えるのは困難ですが、合成洗剤の石鹸はどれも似たり寄ったり、洗浄力が強く、泡立ちもよいが、洗った後、肌がはる感じがあリます。
合成洗剤(界面活性剤)には大きく分けると4タイプあります。
※界面活性剤とは水と油をくっつける物質の意味
1)アニオン(陰イオン)界面活性剤
2)カチオン(陽イオン)界面活性剤
3)アンホ(両性)界面活性剤
4)ノニオン(非イオン)界面活性剤
アニオン(陰イオン)界面活性剤は洗浄力とクリーミーな泡立ちが特徴で、固形石鹸として使われることが多いです。合成洗剤の石鹸はこれと考えて間違いはないです。成分表の表記は、石けん素地、カリ石けん素地、カリ含有石けん素地などと、なります。
カチオン(陽イオン)界面活性剤は、コンディショナーやトリートメントなどに多用される界面活性剤です。毛髪表面のマイナス電気と引き合い、静電気をおさえ、なめらかな髪に仕上げる効果があります。殺菌や消毒をうたう石鹸の中には、この界面活性剤で作られたものがあります。殺菌作用がある界面活性剤なんですね。
アンホ(両性)界面活性剤は、マイルドで低刺激な界面活性剤ですが、洗浄力が弱いため、石鹸にはあまり使われていません。化粧品などによく使われているようです。ただ頭を洗うリンス・イン・シャンプーなどにも使われています。
ノニオン(非イオン)界面活性剤は、プラスでもマイナスでもないくせのない界面活性剤です。石鹸で使われることはなく、化粧品などにみられるようです。
以上、4種類。石鹸として関係してくるのは一番上のアニオン(陰イオン)界面活性剤です。油の名前の表記がない合成洗剤の固形石鹸なら、アニオン(陰イオン)界面活性剤と考えて問題はなさそうです。これらの表記は専門的な物質名の羅列になりますので、省略しました。インターネットの検索欄にこの名前を入れ検索すれば、いろいろ出てきます。