2024/01/10 09:00

 パーム油とは、熱帯地域で広く栽培されているアブラヤシから取れる油のことです。インドネシアなどの赤道近くの国々では、広大な熱帯雨林を切り開き、輸出用のパーム油を搾るアブラヤシの農園が広がり、それが地域の住民の生活を圧迫し、また生態系を破壊していると問題になるほど。ただし、パーム油は安価に大量に作ることができ、食材から日用品まであらゆるところで使われています。石鹸に関して言えば、石鹸にパーム油を加えることで、硬くて溶け崩れしない石鹸となります。そのため、多くの石鹸に使われています。もちろんよく見かける牛のマークの牛脂石鹸にも使われています。オリーブオイル石鹸といっても、多くの石鹸にはパーム油またはそれに替わる油が含まれます。

 このパーム油には、人体にとって有害な刺激物が含まれます。そのため、パーム油が使われ出した当初は、皮膚への刺激があったり、胃への負担があったりと、健康被害をもたらしました。現代では、刺激物を除く処理を施してから油として使用しています。ただ、もともと刺激物の多い油だけに、やはりそれを取り除いた後でも、心配な点は残ります。アブラヤシの実は真っ赤であり、それから搾った油も本来は赤い色をしています。石鹸に使用するパーム油はその赤い油の赤みを取り除き無色にしたホワイト・パーム油になります。パーム油はスナックなどでも使われている意外と身近な油。他にもパーム核油などもあり、興味が尽きない油でもあります。